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ナムジャイブログ

旧ゴーストタウン

ーニアがあわてた

「アザシュは間違いなく聞いています」セフレーニアが言った。「あのねじくれたトロールは、ほとんど称讃に値しますね。古き神に向かってあんな侮辱を投げつけた者は、およそ前代未聞です」
「アザシュはグエリグのこと怒ってるか。それとも怖くて震えたのか。グエリグはベーリオンを持ってる。指輪もすぐできる。そうすればトロール神もいらない。アザシュをベーリオンの火で焼く。汁気が抜けないように、ゆっくり焼く。グエリグ、アザシュを食べる。アザシュがグエリグの升降桌腹の中にいたら、誰がアザシュに祈るか」
 今度の地鳴りには、地の底で岩の割れる鋭い音がともなっていた。
「アザシュをからかうなんて、無謀なことをしてるんじゃないですか」クリクが緊張した声で言った。
「トロールの神々がグエリグを守っています」セフレーニアが答えた。「いかにアザシュでも、トロール神と真っ向からやり合おうとはしないでしょう」
「泥棒め! みんな泥棒!」トロールはわめいた。「アフラエルは指輪を盗んだ! サレシアのアディアンはベーリオンを盗んだ! 今度はアザシュとエレニアのスパーホークが、またベーリオンをグエリグから盗もうとしてる! グエリグに話せ、青い薔薇! グエリグさびしい!」
「どうしてわたしのことがわかったんだ」スパーホークは矮躯のトロールの情報量に舌を巻いた。
「トロール神たちは老獪《ろうかい》で賢明です」セフレーニアが答えた。「この世界で起きる出来事で、知らないことはほとんどありません。そしてトロール神は自分たちの知ったことを崇拝者に教えるのです――見返りさえあれば」
「どんな見返りなら神は満足するんです」
「知らずに済むことを祈るのですね、ディア」教母は身震いした。
「グエリグは青い薔薇の花びら一枚彫るのに十年かけた。グエリグは青い薔薇を愛してる。どうして青い薔薇はグエリグに話さない」トロールはよく聞こえない声でしばらく何かつぶやいた。「指輪だ。青い薔薇がまたグエリグに話すように、指輪を作る。アザシュをベーリオンの火で焼く。スパーホークをベーリオンの火で焼く。アフラエルをベーリオンの火で焼く。みんな焼く。それからグエリグが食べる」
「そろそろ出ていったほうがいいようだ。やつを工房へ行かnu skin 如新せたくない」スパーホークがむっつりと言い、剣に手を伸ばした。
「槍を使うのよ」フルートが助言した。「剣だとつかまれて、もぎ取られるわ。でもその槍には力があるから、つかんだりはできない。お願い、高貴なる父上、生き延びて。あなたが必要なの」
「最善を尽くすとも」スパーホークは答えた。
「父上?」クリクが驚いた声を上げる。
「スティリクム語の呼びかけの言葉です」セフレ様子で言い、ちらりとフルートを見やった。「敬意を表わすものです――それと愛を」
 スパーホークはめったに見せない行動に出た。胸の前で両手を合わせ、不思議なスティリクム人の少女に一礼したのだ。
 フルートは喜んで両手を打ち合わせ、スパーホークの腕の中に飛びこんで、薔薇の蕾《つぼみ》のような唇で音を立てて口づけをした。さらに「父上」と呼びかける。スパーホークはひどい戸惑いを覚えた。フルートの口づけは、少女がするような種類のものではなかったのだ。
「トロールの頭はどのくらい硬いんだ」クリクがぶっきらぼうにフルートに尋ねた。少女があからさまに示した年齢に似合わない親愛の表現に、こちらも明らかに戸惑っている。従士は荒々しくフレイルを一振りした。
「ものすごく硬いわ」
「足が悪いとか言ってなかったか。どのくらいすばやく動ける」
「立ってるのが精いっぱいね」
「ではこうしましょう、スパーホーク」クリクは職業的な戦士の口調になっていた。「わたしはやつの側面に回って、膝や腰や足首にこいつをぶちこみます」と手にしたフレイルをぶんとうならせ、「やつが膝をついたら、腹に槍を突き立ててください。わたしは頭をかち割れるかどうか、やってみます」
「そう詳しく描写する必要があるのですか、クリク」セフレーニアが気分の悪そうな声で抗議する。

フルートは笛を吹きつ

 それはヴァーデナイスの波止場で、またシミュラの騎士館の外でフルートが吹いた、あの奇妙に眠気を催すような旋律だった。
「今度は何をしてるの」タレンがスパーホークにささやいた。全員がオブラー王の宮殿の正面にある、広いポーチの手すりの陰に身を隠している。
「ウォーガンの付けた見張りを眠らせるつもりだ」スパーホークは答えた。ここでくだくだと説明してみても始まらない。「そばを通っても気づかなくなる」スパーホークは鎖帷子《くさりかたびら》に旅のマントという格好だった。
「確かなの?」タレンの声は疑わしげだ。
「前にも何度か効果のほどは目にしてる」
 フルートが立ち上がり、中庭に通じる広い階段を下りはじめた。片手で持った笛を吹きながら、ついてこいと手招きしている。
「行こう」スパーホークが立ち上がった。
「スパーホーク、これじゃ丸見えだよ」
「大丈夫だ、タレン。誰も気がつかない」
「姿が見えなくなってるってこと?」
「見えてはいるのです」セフレーニアが説明する。「少なくとも目には映っています。でも、そのことの意味には気がつきません」
 スパーホークは先に立って階段に向かい、全員がフルートのあとから中庭に下り立った。
 階段を下りたところに立っていたサレシア人の歩哨はらりとも目を向けず、退屈そうな顔をしているばかりだ。
「これ、すごく神経にこたえるんだけど」タレンがささやいた。
「声をひそめなくてもいいんだぞ、タレン」とスパーホーク。
「声も聞こえないの?」
「ちゃんと聞こえてはいるが、そのことに気づかないんだ」
「いつでも逃げられるようにしてても、気を悪くはしないよね」
「そんな必要はないんだがな」
「でもそうしたいんだ」
「楽になさい、タレン」セフレーニアが言った。「そのほうがフルートにとっても簡単なのです」
 一行は厩へ行き、馬に鞍を置いて中庭に引き出した。づけている。オブラー王の門番が無関心に立っている横を通り過ぎ、王宮の外の街路を見張るウォーガン王の警備兵の前を突っ切る。
「どっちだ」クリクが息子に尋ねた。
「街路の先の、そこの路地」
「遠いのか」
「街を半分ほど横切ることになるね。メランドは王宮にあまり近づきたがらないんだ。王宮のまわりの街路は警備が厳重だから」
「メランド?」
「隠れ場所の提供者だよ。アシーの泥棒と物乞いを束ねてるんだ」
「信用できるのか」
「できるわけないじゃない。盗賊なんだよ。でも裏切られる心配はない。盗賊の聖域を申し立てたからね。おいらたちを中に入れて、誰が探しにきても匿《かくま》う義務があるんだ。もしそれを拒んだりしたら、今度プラタイムに会ったときに釈明をしなくちゃならない。カレロスの盗賊議会でね」
「どうやら世の中には、われわれのまったく知らない世界が存在してるようですね」クリクがスパーホークに言った。
「気がついてたよ」とスパーホーク。

と会った丸天井の部屋

「だいたいは。いちばん恐ろしいところは、どん中醫診所な彫刻家にも形にすることはできません」
 と、石像の前の空間が歪んで、黒いローブに身を包み、フードで顔を隠した骸骨のように痩《や》せた姿が、アザシュ像とスパーホークのあいだにいきなり出現した。フードの陰の緑の輝きが次第に明るさを増していく。
「顔を見てはいけません!」セフレーニアが全員に警告した。「スパーホーク、左手で槍の柄をたどって、刃の部分を握りなさい」
 スパーホークはぼんやりとその指示を理解し、左手で槍の穂先をつかんだ。とたんにすさまじい力がふくれ上がるのを感じた。
 シーカーは絶叫し、スパーホークの前から後退した。緑の輝きが明滅して、消えはじめる。スパーホークは断固とした足取りで、槍の刃をナイフのように突き出したまま、フードをかぶった怪物に一歩一歩近づいていった。シーカーはもう一声絶叫すると、その場から消え去った。
「神像を壊すのです」セフレーニアの声が飛ぶ。

 スパーホークは槍を構えたまま、片手を伸ばして壁の窪みから神像を取り上げた。見かけによらず重くて、触れると熱く感じた。それを頭の上まで持ち上げて、思いき二手Toyotaり床に叩きつける。像は無数の破片に砕け散った。
「よくやりました! 妹御はもう無力です、ガセック伯爵。神像を壊したことで、与えられていた異界の力はすべて失われたはずです。姿のほうも、もうカレロスのスティリクムの家に入る前の、元の容姿に戻っていると思います」
「あなたにはいくら感謝しても足りないくらいです」伯爵は心から礼を述べた。
「あれはわたしたちを追ってきてたやつなんですか」とクリク。
「実体ではありません。神像が危ないと見て、アザシュがこの場に召喚したのです」
「実体じゃないなら、別に危険はなかったのでは」
「それは大きな過ちですよ、クリク。アザシュに召喚された幻影は、ときとして実体そのものよりも危険なのです」教母は顔をしかめて、あたりを見まわした。「この部屋にいると胸が悪くなります。早く出ましょう。とりあえず、ドアはもう一度封鎖しておいてください。あとで本格的にふさいでしまうことにして」
「かならずそうします」伯爵は約束した。
 一行は狭い階段を引き返し、はじめて伯爵に戻った。ほかの者たちもみんなそこに集まっていた。
「あのものすごい悲鳴、何だったの」タレンの顔はまっ青だった。
「妹だ」ガセック伯爵が悲しげに答える。
 カルテンは心配そうにベヴィエを見やった。
「あいつの前でその話をしても、だいじょうぶなのか」と小声でスパーホークに尋ねる。
「もうだいじょうぶだ。それにレディ?ベリナも力を失ったはずだ」
「そいつはよかった。あの女が同じ屋根の下にいるかと思うと、よく眠れなくて」カルテンはセフレーニアのほうを向いた。「いったいどうやったんです。つまり、ベヴィエを治した方法ですけど」
「あの女性が他人に影響を与えている方法を割り出したのです。そこでそうした力に一時的に対抗する呪文を使いました。それから地下室に行って、治療を完成させたのです」教母は眉をひそめた。「とはいえ、まだ問題はあります」と伯爵に向かって、「あの吟遊詩人はまだ野放しのままです。あの人は感染していますし、伯爵が城から追い出した召使たちも同様でしょう。そこから汚染が広がって、大勢の人たちがここに押しかけてくる危険があります。いつまでもここに残って、そういう人たちを一人ひとり治療しているわけにもいきません。この探求の旅は、そのような遅れを許さないほど重要なものなのです」
「武装した者たちを雇おう。その程度の資力はある。城の門を固めて、必要とあらば妹を殺してでも、決して外に出したりはしない」
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